現代に欠かせないスマホであるが、現代人はこのスマホ依存に陥っている
そしてスマホ依存によって、自制心や集中力が異常に低下しているのだ
脳の仕組みや人間の進化をベースにしてスマホがいかに依存度の高いものか?を語られている本書について、簡単に要約した
Contents
人間はスマホに適応できていない
人類は1万年の期間を経て生き残れるよう進化してきた
キリンが首が長いのは、突然変異でたまたま生まれた首が長い種が、多くの草を食べられることによって生き残りやすく、その結果、子孫をたくさん残せたからである
このように人間も生き残りやすい種以外が淘汰されながら今の自分たちがいるのだ
では人間ではどのような特徴を持った人が生き残れたか?
1つはカロリーの高いものを欲する機能だろう
昔は食べ物をいつ食べられるかわからず、死因の原因の上位に飢餓があった
その中でカロリーの高いものに関して脳からドーパミン(快楽物質)が出るような種が生き残りやすく、現代の人間の脳にはこの機能が備わっている
しかし、現代では食べ物がなくなることなどほとんどない。むしろ太っている人は毛嫌いされ、生き残りにくいという逆転現象がおきているといってもよい
とはいえ、現代のような環境は長く見積もってここ100年以内のことであり、人類というもので考えると全体の1%程度である
スマホなんてここ10年ほどでできたものだ
要するに、現代の時代の変化が速すぎて脳や体がついていけていないということだ
スマホは悪影響を及ぼす
今の私たちは朝起きた時から、夜寝る前までスマホを肌身離さず持っている
これは完全なスマホ依存だ
依存において最も大切な脳内物質がドーパミンである
ドーパミンは私たちの行動を選択させる働きを持つ
例えば、お腹がすいているときに食べ物を見るだけでドーパミンが増加する。つまり、食べ物を食べさせようとするのだ
スマホはこのドーパミン量を増やすように作られているのだ
依存例1.ネットサーフィン
人間は新しい情報や学びがあるとドーパミンを放出する
これは新しい情報を知れるほうが、狩猟や身を守ることの確率を高めることができたらである
脳はドーパミンを放出することで人間に新しい情報を探させようとするのだ
これはスマホでネットサーフィンをしている時と同じである
依存例2.SNS、ソシャゲ
人は「かもしれない」が大好きである。これもまたドーパミンの仕業であることは言わなくてもわかるであろう
食べ物があるかもしれない、危険が潜んでいるかもしれない、こういったことで行動に起こすためにドーパミンを放出させる
・SNSでの情報を見逃すかもしれない、
・ソシャゲのガチャでほしいキャラが当たるかもしれない
このようにドーパミンを放出させる仕組みが備わっているのだ
IT企業トップは依存することを知っている
シリコンバレーなどで活躍されている有名人はスマホやSNSの発明について、やりすぎてしまったという発言をしている人も多い
ビルゲイツは子供が14歳になるまでスマホを与えなかったという
金銭的に何の問題もないビルゲイツがなぜスマホを与えなかったのだろうか?
理由を考えれば明らかだ
また、スマホの生みの親であるスティーブジョブスも子供のそばに置かないようにして、スクリーンタイムで厳しく制限をかけていたそうだ
理由こそ語らなかったそうだが、依存以外の理由があるだろうか?
たとえ依存が理由でなくても悪い影響を与えるというのは明確である
依存しやすいからスマホにはまるのか?スマホを持つから依存するのか?問題
依存といえば今議論しているスマホだけでなく、ギャンブルやアルコールなども依存してしまう要因だ
これらにハマっていない人からすれば、単に自制心がない人達がハマってしまっているだけでは?と思うだろう
スマホ依存も単に自制心がなく、メンタルが弱い人がハマるだけなのだろうか?
実はこれに関して実験され結果が出ている
スマホが普及する前の時代に、スマホを持っていない人に3か月間スマホを使用させた結果、報酬を先延ばしにする能力が低下したことが分かったのだ
依存とは少し違う気もするだろうが、結局は同じことだ
目先の報酬に飛びついてしまう、制御ができないことで依存になるということと同義だろう
スマホの利用方法
これまでスマホの害についての内容を書いてきた
よくないことは分かったのだが、現実的にスマホを持たないことは現代では不可能だろう
そこでスマホとの付き合い方について本書の最後に書かれてあることをいくつか紹介して終わる
・スマホの使用時間を知る
・代替品で代用する(アラームは目覚まし時計にするなど)
・集中するときは手元に置かない
・スクリーンタイムを制限する
・運動する
・SNSはパソコンだけにする
極端な制限をする必要はないだろうが、自分なりにスマホとの向き合い方を考えてみることが大切である