- 世間的にいいと言われたことをやってきた
- まぁ不幸ではないんだけれど、何か足りない
- なのになぜか微妙につまらない…
そんな日々を送っていた著者が没頭という状態に入ることで毎日が幸せになった。そんな没頭はどうすれば手に入れられるのか?ということを書いている本になります。
Contents
没頭と幸せの関係
そもそも没頭とは?ということで著者は没頭することが幸せになる条件だと言っています。
予防医学での幸せの定義は、「ワクワクして目が覚めて、夜満ち足りて眠る」ということのようです。これは遠足前の子供のころを想像するとわかりやすいでしょう。これを感じるには没頭が必要ということなんですね。
現代人にはなんかつまらないけど満足という人が多いといいます。これはSNSなどの台頭により、スマホが最高の毛繕いツールになっているから。面白い表現を書きますね。たしかにスマホというのは手軽に暇つぶしや小さな快楽を得られるために、何かに集中して作り上げる達成感のようなものとはかけ離れている気がします。また、没頭に必要な集中力もスマホにより短期化しているようで、これも没頭に入ることから遠ざかっています。

没頭できるのはどうすればいいか
ミハイチクセントミハイのフローを参考に8つの条件があります。これは最も一般的に言われている条件ですね。
- ゴールが明確で、進捗が即座にわかる
- 専念と集中、注意力が限定された分野への高度な集中
- 活動と意識の融合が起こる
- 自己の認識や自意識の喪失
- 時間感覚のゆがみ
- 状況や活動を自分でコントロールしている感覚
- 行動そのものに本質的価値を見出している
- 能力の水準と課題の難易度とのバランスがいい
この中から①、⑥、⑧が外的要因でコントロール可能なのです。そのためにこの外的要因を最適化していきましょうということになります。
・自分ルールを作る→やるべきことが明確になる
・細分化→フィードバックが速く、成功失敗がわかりやすい
・スキルの4%難しいことに挑戦→易しすぎず難しすぎず
また、予防医学者の石川善樹さんは没頭に入るには3つの状態があるという
ストレスをかける→一気にリラックス→目の前の行為に集中
これを著者なりに解釈した場合、不安→開き直り→没頭という流れになるという。不安はチャレンジすることを考えると出てきますし、私が思うポイントは開き直りだと思います。
その中で著者は、「自分の魂をもっと使え」というフレーズで表現しています。誰かに言われたり、常識的にと考えることは開き直りでも何でもない。本当に自分の頭で考えてやりたいと思ったことが開き直りにつながるということです。
それから行動が開き直りには必要で、「やる前はやる気ないけど、やってみたらついつい続けちゃう」という作業興奮を利用しようということでしょう。
また、体を動かしたり期限を決めることも一緒に設定すると没頭に入りやすいようです。
まとめ
ミハイチクセントミハイの「フロー体験入門」やスティーブン・コトラーの「エクストリームスポーツとフロー体験」を参考に書いてあり、それらを読んでいる自分には大きな新しい知識というのはありませんでした。
フローについて知りたい、没頭したいけど、本読むのは苦手という人には読みやすくていい本だと思います。
様々な有名者の発言などがたくさんちりばめられているので、その言葉の表現がすごくお洒落で面白いということもこの本のいいところですね。
「エクストリームスポーツとフロー体験」の書評
